設計・技術Plan Technique

金型製品は、一品ごとにお作りするその性格上、納期、コスト、品質などお客様のご要望に対応するためには、設計段階からの入念な打ち合わせ工程設計、金型設計が不可欠です。当社では、熱錬の技術スタッフによる、確実に迅速な設計業務を実現するとともに、全社的な情報システムの集約を行ってきました。営業スタッフがキャッチしたユーザーニーズを「いかに製品に反映させ、いかに納期の短縮化を図るか」技術スタッフが設計・監理業務を通じて実現するよう努めています。

特許第6128671号 Ni基超々合金インサート金型

写真は、熱間鍛造ボルト用として、試作した金型です。ニッケル基超々合金を金型材としてSKD61熱間工具鋼にインサートして作成。熱間鍛造では、成形圧力が2000MPaにも達することがあるため、円周方向に引張応力が発生します。そこで成形時に、ダイインサートに発生する円周方向の引張応力に対抗する圧縮応力を予めダイインサートに与えておき、成形時の応力を相殺することで金型破壊を防止する工夫を施しています。この補強リングは、高温にならないため、従来からのSKD61等の熱間工具鋼が用いられますが、金型は800℃近くまで温度が上がるため、耐熱性の高い材料が必要となってきます。 この金型に使用するニッケル基超々合金は、熱間鍛造温度800〜1000℃でも強度低下が少ない材料であり、長寿命化が期待できます。 上記の通り、長寿命化によるコストパフォーマンスは単純に金型費の削減、又段取り時間の削減など付随業務にも見込まれます。これらはお客様の期待に添えるところであります。 又「Ni基超々合金」は超硬合金よりはるかに高い加工性があり、加工日数の短縮による納期改善、また図4に示すように加工性が良い事による消耗工具削減によるコスト削減が期待できます。

Ni基超々合金の耐熱強度

Ni基超々合金は,温度上昇に伴う硬さの低下が小さい。700℃以上では超硬合金よりも硬い。

切削性評価試験

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